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日別アーカイブ: 2019年12月4日

塞栓手術の術後管理

 はっきり言ってしまえば自分の無知を知らされた。11月26日、予定通り大阪の近畿大学病院に入院した。翌27日午後1時30分、TACE(塞栓療法)を開始。右鼠径部の大動脈に局地麻酔を実施した上、切開。開けた穴から細いカテーテルを挿入、大動脈の内部を傷つけないよう細心の注意を払ってゆっくり遡上。カテーテルは肝臓に達し、肝動脈からがん細胞に接近した。2年前、湘南東部総合病院で末期ガンの緊急対応として初めて受けた。この手術はガン治療の一方式として広く行われている。

 大きくなった末期ガンを殺すには有効だが、手術が成功しても一定の期間が過ぎるとまたガンが確認され、数度実施すると今度は肝臓本体を傷めてしまい肝機能が低下し、死に至る。あくまで緊急処置の一つとして実施されるが、完治は難しい。茅ヶ崎ではモニターが手術台から見ることができたが、今回はモニターの位置が足元にあって見ることはできなかった。手術はぴったり1時間半、午後3時に終わった。 切り開いた血管の穴はごく小さいので穴が塞がるのには一晩あればいい。3,4、日で退院できると簡単に考えていた。

 これがぼくの無知の誤り。血管を塞ぐ、といっても体内最大の臓器である肝臓の動脈を封鎖したのである。ガン細胞は血液が来なくなり栄養が届かないからガン細胞は餓死の状態で壊死(えし)する。医師たちがこの手術を通称”兵糧攻め”と呼ぶ所以だ。こちろん肝臓の臓器内部での葛藤は必然ある。その部分が炎症し悪化すると膿むケースもある。毎日、抗菌剤や肝機能を損なわない薬を点滴で体内へ注ぎ入れ、採血し、血液から体内の状況を監視する。データはすぐ出てくる。

 12月に予定の会合に出られなくなり、簡単には退院できないことが分かった。12月3日、担当の医師がぼくのベッドにやって来て、体内の状況を説明してくれた。炎症反応は次第に小さくなっている。腎機能も衰えていない。黄疸、白血球数など全て良好である。肝機能の低下が見られ、それを回復するため薬を飲む。点滴を続ける。ほぼ想定通りの進行で、術後管理は問題ないという。

 病院生活は快適とは言えないが、大きな問題はない。ただ、今回は初めて6人部屋のベッドだったので、ちょっと窮屈。病院食はまさに患者に与える「餌」である。とくに朝はコッペパン2個に小さな牛乳。オレンジの2切れとか、生野菜を酢で和えたものだけ。これには参ったが、文句は言えない。ただひたすら食べている。

1階のコンビニで宮部みゆきの小説を買い、読んだ。江戸時代、孤児や親に棄てられた子ども5人が何者かに毒殺される。「令和元年」と政府やメディアはお祝いムードを演出したが、江戸時代となんら変わらない。子殺し、幼児虐待のニュースが目立った。なんともやるせない時代状況だ。これが安倍首相のめざす「美しい日本」なのか。

北岡和義事務所

東京都在住

E-mail: kazuyoshi.kitaoka@gmail.com

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