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治験治療の実際①

肝臓ガンが茅ヶ崎市の総合病院で見つかったのが2017年12月9日。同月12日に入院し15日、肝動脈化学塞栓療法(TACE)という手術を受けたことは既述した。右の鼠径部の大動脈に穴を開け、そこからカテーテルという細い管を血管の中を通し肝臓に達したら抗がん剤をふっかけ血管を塞いでしまう。すると塞栓した血管の先に栄養が届かないのでガン細胞は死ぬ。

この手術は成功し二つあった大きなガン細胞は死んだ。医学の世界ではこの手術を”兵糧攻め”、と呼んでいる。ただガンはまた別のところに出てきて、2,3度塞栓手術を続けるとだんだん効かなくなり、しかも肝臓が悪化する。

ぼくが近畿大学病院で受けている治験治療は分子標的薬という抗ガン剤を飲み、かつ2週間に1回、点滴を受ける。専門的な表現だが「アベルマブ/アキシチニブの治験」と言い、2種同時に別々の抗ガン医療を試みているわけだ。アベルマブは分子標的剤と呼ばれるガン細胞をピン・ポイントで攻撃する抗ガン剤で副作用は比較的軽い。それでも味覚が失われ食欲が減退する。下痢、吐き気、唇の荒れなどの症状が出てくる。アキシチニブは免疫ポイント阻害剤で、本庶佑・京大教授が発見しノーベル賞を受賞した物質、T細胞(リンパ球の一種)の「PD-1」とガン細胞の「PD-L1」が結合するのを抑える、ということでガンの増殖を抑える、というのである。

当初から目覚ましい効果が現れ治験を始めてから3-4か月でガンの腫瘍マーカーは劇的に下がった。「記録破りですよ」と工藤正俊教授が叫んだほどだった。しかし・・・。

治験は昨年2月14日第1回を始めた時、同じ治験患者は10人だったが、今残っているのはぼく一人だけ。他はすべて「離脱」した。抗ガン剤が効かなかったか自分で止めたのか、あるいは亡くなったのか、は分からない。

ぼくのガンの状態が最初「ステージ4」(末期ガン)と診察されたが後日「ステージ3」だったかも、と医師は曖昧なことを言う。だが「余命3-6か月」という危険な状態から脱したのは事実だろう。でも体内にガン細胞は残っている。

本の紹介です。

北岡和義事務所

東京都在住

E-mail: kazuyoshi.kitaoka@gmail.com

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